五十鈴サッカー少年少女団 コーチの雑感

小学生年代に必要なものを身につけよう‼

英断!

 全日本柔道連盟が小学生の各年代別の全国大会の廃止を決定した。

その理由が、行きすぎた勝利至上主義にあるようだ

。精神的にも肉体的にも未熟な子供に指導者や親の過度な期待とプレッシャーを与えてきた現状に危機感を露にした結論だと思う。

 武道は、礼に始まり礼に終わる、人間教育が本来の目的のはずなのに、試合会場では、勝利至上主義が蔓延し、大人が審判の判定に文句を言う、自分の思い通りの結果を出せない子供を叱り飛ばす、対戦相手を柔道仲間とせずに敵とみなす口の悪い大人など、子供に礼儀作法を押し付けておいて、大人の自分自身の行動を省みない現状を見過せなかったのだと思う。

 全日本柔道連盟が小学生年代をじっくり育成する方向にに舵をきったのは英断だと思う。

 片や日本サッカー協会はどうなのか?

全日本少年サッカー大会は、毎年、子供達、大人達を熱くしている。

 同じように子供達にリスペクトの心をスローガンにしているが、子供達を取り巻く大人が、対戦相手を敵と見なし、我が子、チームのプレーにどや顔して、勝った負けただけが評価材料で、ギスギスした雰囲気を作り出している風景は、昔から変わらないように思う。そんな環境におかれているチームの子供達も同様に、型にはまって、勝ち負けだけに拘って、遊び心がなくて、子供らしさに欠けてるんだよなぁ。

 聞くところによると幼稚園年代の全国大会を開催しようとしている愚かな話も耳にする。

サッカー大国のドイツやブラジルは全国大会の弊害を察知して、小学生年代は元より、高校年代まで全国大会を開催していないらしい。スポーツ大国のアメリカでも各競技で高校年代まで、州大会止まりで全国大会はないらしい。

現状を分析し、弊害を排除し、英断が出来る、外国の世界基準と、歴史や伝統に拘り続ける日本基準、育成に重きをおいて、じっくり、我慢出来るサッカー文化のある国々が羨ましい。

 小学生年代は、心も身体も発達途中。大人のサッカーを押しつけるのは、やめましょう。煽って、急かして、余裕のないプレーをしている子供達が、次のカテゴリーで困ってしまう。または、サッカー界にとって大切な財産である子供達が、サッカーから離れていきますよ。

 ゆったりまったり見守って、両チームの子供達のおおらかな、粗削りな、個性豊かな、楽しげな、大人の発想をぶち抜くような、子供同士のプレーを楽しんでみたらどうだろうか?

 みなさん、対戦相手の子供達·サッカーに夢中になってくれている子供達は、“敵"ですか"仲間"ですか?